主人公の無双

最後まで楽しめた。しかし主人公・飛鳥が天才で絶対王者みたいなものだから、あとは彼女を無双させれば良いだけで、物語に深みはないかな。無双っぷりを楽しめるかどうかで、評価は変わるだろう。それにしても、いくら天才でも浮世離れしすぎていて、リアリティはないかな。「こんなやつおらんやろ」と思う。 作者は物書きだから、同じ物書きの脚本家に感情移入するのはしかたないが、最初から最後まで産みの苦しみの煩悶を続けているので、正直うんざりした。当代一の売れっ子脚本家なら、そこまで煩悶しないだろうに。 あと、東響子が最初から役に確定していたのはすぐ看破したので、驚きはなかった。 気になったのは540ページ。「芹澤は腕組みをしてテーブルの上にもたれかかると、無表情な目で響子を見た。」そのすぐ4行後に、「芹澤は腕組みをして、テーブルの上にもたれかかった。」と同じ描写が続くのはさすがにおかしい。こういう間違いがあると、せっかく物語に入り込んでいるのに、途端に醒めてしまう。推敲はちゃんとしましょう。