一神教は難しい

私たちが生きる近代社会は様々な問題を抱えているが、その社会とは西洋的な価値観に基づいており、西洋的な価値観の根底にはキリスト教がある。しかし、日本は独自の文化的な伝統があり、キリスト教について分かっていない。そこで、対談を通じてキリスト教に関する疑問に答えながら理解してもらおうという試みが本書である。対談は、第1部は一神教を理解する、第2部はイエス・キリストとは何か、第3部はいかに「西洋」をつくったか、の3部から構成されている。 結局、日本人には一神教が理解できないのではないかと思う。一神教は厳しい自然条件に生きる人々の間で生まれたように思うが、日本人は豊かな自然と共存することで文化的な伝統を築いてきた。一方、西洋社会はピューリタン的な生活態度から意図せず発展してきた面が大きい。西洋社会の価値観を極限まで体現したアメリカと、イスラム教圏の国々の価値観が衝突している現在を考えるに当たり、理解しておきたい内容である。