小夜しぐれ みをつくし料理帖5

本書は、4編が色々な意味で立っていた。「迷い蟹」では種市の過去が、「夢宵桜」では澪が吉原とどう関わるのか、「小夜しぐれ」では美緒の決意、「嘉祥」は小松原こと小野寺の番外編。どれもこれも良かった。中でも「夢宵桜」は濃厚だった。菜の花(油菜)が江戸ではそんなに高価だったのか! という驚き。そして菜の花という澪の言葉に、又次が何の菜か問いただした件に「なるほど」と膝打つ思いだった。時折物語の中で著者が使う「ふきが、ぴょんと跳ねた」という表現が何とも好き! 今更だけど……(笑)