作者は、他人が容易に読み解けるかどうか分からない音域の言葉で巧みに物語を紡いでいるように思える。そのことで、主人公の女性の薄幸な人生が表現されているのだろう。作品全体を通じて、作者の文章力の高さには恐れ入った。作者のこれからのご活躍が楽しみである。
本書は、陸奥の国の王者アテルイと、天皇の使者・坂上田村麻呂との間の、壮絶な戦いが描かれた歴史ロマンである。話のテンポが良いので一気に読み終わった。ただ、残念なのは、戦闘状態に至る歴史的・社会的な要因についての記述が極めて少ないという点だ。
奈良時代から平安時代時代にかけての陸奥の国、そこには朝廷に従わない蝦夷の人々がいた。弱冠十八歳のアテルイは、勇猛果敢にして、朝廷との戦を通して成長していく。戦略・戦闘シーンの描写には、作者の力量が表れている。下巻を読むのが楽しみである。
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52ヘルツのクジラたち
作者は、他人が容易に読み解けるかどうか分からない音域の言葉で巧みに物語を紡いでいるように思える。そのことで、主人公の女性の薄幸な人生が表現されているのだろう。作品全体を通じて、作者の文章力の高さには恐れ入った。作者のこれからのご活躍が楽しみである。
火怨 下 北の燿星アテルイ
本書は、陸奥の国の王者アテルイと、天皇の使者・坂上田村麻呂との間の、壮絶な戦いが描かれた歴史ロマンである。話のテンポが良いので一気に読み終わった。ただ、残念なのは、戦闘状態に至る歴史的・社会的な要因についての記述が極めて少ないという点だ。
火怨 上 北の燿星アテルイ
奈良時代から平安時代時代にかけての陸奥の国、そこには朝廷に従わない蝦夷の人々がいた。弱冠十八歳のアテルイは、勇猛果敢にして、朝廷との戦を通して成長していく。戦略・戦闘シーンの描写には、作者の力量が表れている。下巻を読むのが楽しみである。