芥川賞と直木賞受賞作は 少なくとも読もうと思っているので 今回も予約していた本が届いたので 早速読んでみた。 コンビニのバイトは 世の中のバイトの象徴的なもの、 コンビニ店員になりたいと 目指す人はいないだろうが コンビニを利用しない人は少ない。 こんなに身近で便利なのに そこでバイトと考えると やはり一生の仕事というより バイトそのものって感じ。 しかしこの本の主人公は ついには「コンビニの一部に その歯車になりたい」と言い放つ。 そのために体調を整え コンビニの仕事に備えるのだ。 コンビニの様々な音や 人々の行動、 マニュアル化された接客 そういったことは 新鮮味は無かった 日々自分も触れていて 敏感にはならなくても 書かれた事の多くは知っている。 だから選考委員が 「鮮烈」とか「新鮮」とか そういう帯のコピーを読むと 大作家になると コンビニもよく知らないんだろうなと。 主人公の心理描写で ちょっとずれたというか いびつな部分が垣間見え そのあたりにザワザワするが だからと言って これが傑作かと考えると それほどとは感じられなかった。 ただ小説世界は独特で 他の作品も読んでみたいと思った。 ★100点満点で75点★ soramove
名曲,【風に立つライオン】 をヒントに 映画の主演でもある大沢たかおが さだまさし本人に映画の脚本を依頼していて 実現した映画化の原作だ。 歌は随分前の作品なので そのままという訳じゃなく 歌に歌われた主人公を 彼に関わりのある人々の述懐で 紡いでいく。 もう主人公は大沢たかおの顔として 読んでいったが、 一人称でない分 もうひとつ主人公の心情に 迫り切れなかった印象だ。 やはりここは王道で 彼の物語を彼の目を通して 描いて欲しかった、 これはこの歌のファンだからだけれど。 物語は東日本大震災直後の石巻の 赤十字病院にケニア人の若い医師が やってくるところから始まる。 歌に何ができるか、 さだまさしが、よく言っていた、 直接体を治すことは出来ないが せめて心に何かを届けたいと。 だから医師として 主人公に繋がるケニア人が 東北に来たことは さだ本人の切ない心情の表れかもと 深読みしつつ、 物語は現代と主人公が活躍した 1980年代のケニアの 戦傷病院の実情が描かれていく。 人は人を傷つける そして医師がそれを治していく、 戦闘なんかなければ そんな傷を治す必要もないのに、 当時のケニアでは来る日も来る日も 傷を負った人が運び込まれてくる。 そんな中には子供たちもいた。 そして彼らの中には10歳くらいで 麻薬で恐怖心を無くし、 銃を持たされた少年兵もいた。 現代でも似たような話を聞く、 つくづく人間って なんて残酷なんだろうと思うが その同じ人間が とても深い愛情を家族に向けたりする それもまた事実なのだ。 命は儚いが 強く持った意思や希望は 次の誰かに繋がれていく、 そんな輪が世界中に広がればいいのに そんな希望は ちょっと綺麗ごと過ぎると感じるほど 現実は無残だ。 それでもこの小説を読んで 綺麗事でも構わないから できることを身近な事から、 そんな些細なことから 始めることくらいしか 自分たちにはないのかもな、 それでも希望はある。 歌の歌詞を連想させる部分があると どうも歌の内容に自分の心が 持っていかれて、 小説としてはちょっと弱いかな、 でも十分感動させられたんだけどね。 ★100点満点で80点★
第152回直木賞 憧れのエジプトの地を踏んだ時のことを 懐かしく思いながら 主人公の少年時代を読んだ、 ゲジラ塔のゲジラタワーを近くで見た、 周囲を案内してくれたエジプト人は 何気なく手を繋いできて 気温の高いなか 拒む事も憚られ、しっとりと冷たい手 断片的に脈絡もなく 同じ様に遊んでいても 海外赴任の日本人家庭と 現地の普通の人々では 暮らしの格差は 子供の目にも明らかだったろう、 それでもそんの関係なく遊べるのが 子供の良いところであり、 残酷なところでもある。 「サラバ」 彼らの挨拶の言葉、 自分の記憶では「アッサラーム」とか、 「イッシャ・アラー」とか 「サラーム」とか 異国の言葉がその時の 空気の様なものと一緒に 何処かの場所に引き戻してくれる。 家族のあれこれを描いた、上巻、 下巻に入って 一体この物語はどこに行きつくんだろう? そんなことを考えながら どんどん減っていく残りのページ。 歩(あゆむ)という名前 彼はいつしか、自ら歩き出す かつて唯一の友人で 彼のヒーローだったヤコブ、 彼の姿を認め、走り出したい気持ちを 34歳の主人公は一瞬押しとどめるが お互い駆け寄り抱き合う、 一瞬で二人が子供時代に返る。 ヤコブはエジプトでも少数派の コプト教を信じている、 信じることは、息をする事と同じと 強く言い放つ、 歩はいまだに、信じるもの 信じられるものを探している 子供の頃は二人は 何も持っていなかったが 全てを手にしていた、可能性の卵を 大人になった二人は 随分と変わってしまったけど ナイル河のゆったりした流れを目にして 常に「サラバ」がお互いの 身近にあったことを 強く強く実感する このあたり、号泣していた、 改めて今まで読んできた 長い長い物語のその長さの 意味が分かった、 オレは何かを持っているんだろうか? サラバ! サラバ! 書こうと決めて3年経った 37歳でフリーターの主人公 小説を書きあげ 生まれた街の空港に降り立つ、 それが傑作なのか 人々に認められるか そんな不安は無用だ 書きあげたことにこそ意味がある。 そんな生き方は眩しい 憧れもするけど やはり心の中でだけ とてもつもない小説を読んだ、 2ヶ月経って、再読 やっと感想のような文章を書いた。 最高! ★100点満点で100点★
主人公が87歳ということで 場所の移動や瞬時の判断なんかに ムリなものは読んでいて 常に感じた、 せめて78歳くらいなら もうちっとリアルを感じられそう。 ただし、このじいさん ヒーローなんだけど 口は悪いし、他人の気持ちなんて お構いなしに 感じたままを口に出すから 読んでいて面白いけど これじゃあ、好かれるおじいちゃんは ムリそうだ。 ワリと簡単にナチの隠した「金(きん)」を 発見するあたりは やはりご都合主義的だけど まあ、主人公が87歳と 常に文章の様々な場面で伝えてくれるので おかしいもので、許せちゃう。 大戦とナチスの残党 戦後これだけ時間が経過しようと 当時の体験は忘れがたいものだろう そんな因子を自分達も 持ち合わせているのだと思うと 恐ろしくもあり 暗い気持にもなるが 戦わないことを選ぶのも やはり自分達自身なんだと ミステリー小説を読みながら 感じた次第。 ミステリーとしては弱いが 87歳のヒーローという 新しい切り口で 結構楽しく読めた、 彼の活躍は今後も続くらしいので 続編も是非読みたい。 ★100点満点で75点★
太宰の書いた津軽を読みたいと思ったので購入。 送料が無料の期間だったので手軽に利用。
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コンビニ人間
芥川賞と直木賞受賞作は 少なくとも読もうと思っているので 今回も予約していた本が届いたので 早速読んでみた。 コンビニのバイトは 世の中のバイトの象徴的なもの、 コンビニ店員になりたいと 目指す人はいないだろうが コンビニを利用しない人は少ない。 こんなに身近で便利なのに そこでバイトと考えると やはり一生の仕事というより バイトそのものって感じ。 しかしこの本の主人公は ついには「コンビニの一部に その歯車になりたい」と言い放つ。 そのために体調を整え コンビニの仕事に備えるのだ。 コンビニの様々な音や 人々の行動、 マニュアル化された接客 そういったことは 新鮮味は無かった 日々自分も触れていて 敏感にはならなくても 書かれた事の多くは知っている。 だから選考委員が 「鮮烈」とか「新鮮」とか そういう帯のコピーを読むと 大作家になると コンビニもよく知らないんだろうなと。 主人公の心理描写で ちょっとずれたというか いびつな部分が垣間見え そのあたりにザワザワするが だからと言って これが傑作かと考えると それほどとは感じられなかった。 ただ小説世界は独特で 他の作品も読んでみたいと思った。 ★100点満点で75点★ soramove
風に立つライオン
名曲,【風に立つライオン】 をヒントに 映画の主演でもある大沢たかおが さだまさし本人に映画の脚本を依頼していて 実現した映画化の原作だ。 歌は随分前の作品なので そのままという訳じゃなく 歌に歌われた主人公を 彼に関わりのある人々の述懐で 紡いでいく。 もう主人公は大沢たかおの顔として 読んでいったが、 一人称でない分 もうひとつ主人公の心情に 迫り切れなかった印象だ。 やはりここは王道で 彼の物語を彼の目を通して 描いて欲しかった、 これはこの歌のファンだからだけれど。 物語は東日本大震災直後の石巻の 赤十字病院にケニア人の若い医師が やってくるところから始まる。 歌に何ができるか、 さだまさしが、よく言っていた、 直接体を治すことは出来ないが せめて心に何かを届けたいと。 だから医師として 主人公に繋がるケニア人が 東北に来たことは さだ本人の切ない心情の表れかもと 深読みしつつ、 物語は現代と主人公が活躍した 1980年代のケニアの 戦傷病院の実情が描かれていく。 人は人を傷つける そして医師がそれを治していく、 戦闘なんかなければ そんな傷を治す必要もないのに、 当時のケニアでは来る日も来る日も 傷を負った人が運び込まれてくる。 そんな中には子供たちもいた。 そして彼らの中には10歳くらいで 麻薬で恐怖心を無くし、 銃を持たされた少年兵もいた。 現代でも似たような話を聞く、 つくづく人間って なんて残酷なんだろうと思うが その同じ人間が とても深い愛情を家族に向けたりする それもまた事実なのだ。 命は儚いが 強く持った意思や希望は 次の誰かに繋がれていく、 そんな輪が世界中に広がればいいのに そんな希望は ちょっと綺麗ごと過ぎると感じるほど 現実は無残だ。 それでもこの小説を読んで 綺麗事でも構わないから できることを身近な事から、 そんな些細なことから 始めることくらいしか 自分たちにはないのかもな、 それでも希望はある。 歌の歌詞を連想させる部分があると どうも歌の内容に自分の心が 持っていかれて、 小説としてはちょっと弱いかな、 でも十分感動させられたんだけどね。 ★100点満点で80点★
サラバ!(上)
第152回直木賞 憧れのエジプトの地を踏んだ時のことを 懐かしく思いながら 主人公の少年時代を読んだ、 ゲジラ塔のゲジラタワーを近くで見た、 周囲を案内してくれたエジプト人は 何気なく手を繋いできて 気温の高いなか 拒む事も憚られ、しっとりと冷たい手 断片的に脈絡もなく 同じ様に遊んでいても 海外赴任の日本人家庭と 現地の普通の人々では 暮らしの格差は 子供の目にも明らかだったろう、 それでもそんの関係なく遊べるのが 子供の良いところであり、 残酷なところでもある。 「サラバ」 彼らの挨拶の言葉、 自分の記憶では「アッサラーム」とか、 「イッシャ・アラー」とか 「サラーム」とか 異国の言葉がその時の 空気の様なものと一緒に 何処かの場所に引き戻してくれる。 家族のあれこれを描いた、上巻、 下巻に入って 一体この物語はどこに行きつくんだろう? そんなことを考えながら どんどん減っていく残りのページ。 歩(あゆむ)という名前 彼はいつしか、自ら歩き出す かつて唯一の友人で 彼のヒーローだったヤコブ、 彼の姿を認め、走り出したい気持ちを 34歳の主人公は一瞬押しとどめるが お互い駆け寄り抱き合う、 一瞬で二人が子供時代に返る。 ヤコブはエジプトでも少数派の コプト教を信じている、 信じることは、息をする事と同じと 強く言い放つ、 歩はいまだに、信じるもの 信じられるものを探している 子供の頃は二人は 何も持っていなかったが 全てを手にしていた、可能性の卵を 大人になった二人は 随分と変わってしまったけど ナイル河のゆったりした流れを目にして 常に「サラバ」がお互いの 身近にあったことを 強く強く実感する このあたり、号泣していた、 改めて今まで読んできた 長い長い物語のその長さの 意味が分かった、 オレは何かを持っているんだろうか? サラバ! サラバ! 書こうと決めて3年経った 37歳でフリーターの主人公 小説を書きあげ 生まれた街の空港に降り立つ、 それが傑作なのか 人々に認められるか そんな不安は無用だ 書きあげたことにこそ意味がある。 そんな生き方は眩しい 憧れもするけど やはり心の中でだけ とてもつもない小説を読んだ、 2ヶ月経って、再読 やっと感想のような文章を書いた。 最高! ★100点満点で100点★
もう年はとれない
主人公が87歳ということで 場所の移動や瞬時の判断なんかに ムリなものは読んでいて 常に感じた、 せめて78歳くらいなら もうちっとリアルを感じられそう。 ただし、このじいさん ヒーローなんだけど 口は悪いし、他人の気持ちなんて お構いなしに 感じたままを口に出すから 読んでいて面白いけど これじゃあ、好かれるおじいちゃんは ムリそうだ。 ワリと簡単にナチの隠した「金(きん)」を 発見するあたりは やはりご都合主義的だけど まあ、主人公が87歳と 常に文章の様々な場面で伝えてくれるので おかしいもので、許せちゃう。 大戦とナチスの残党 戦後これだけ時間が経過しようと 当時の体験は忘れがたいものだろう そんな因子を自分達も 持ち合わせているのだと思うと 恐ろしくもあり 暗い気持にもなるが 戦わないことを選ぶのも やはり自分達自身なんだと ミステリー小説を読みながら 感じた次第。 ミステリーとしては弱いが 87歳のヒーローという 新しい切り口で 結構楽しく読めた、 彼の活躍は今後も続くらしいので 続編も是非読みたい。 ★100点満点で75点★
津軽
太宰の書いた津軽を読みたいと思ったので購入。 送料が無料の期間だったので手軽に利用。