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29歳、社会人8年目、年収163万円。 こんな生き方、働き方もある。 読むと心が軽くなる、“脱力系”お仕事小説。 Xで話題沸騰⇒300万インプレッション超え! ・発想が面白すぎる @888p_n_m888 ・1年くらい休んで旅に出ようかな。笑 内容紹介でこんなにも「なるほど」と考えさせられた作品は初めて。 @sayu_furuya 注目のあらすじはこちら! 29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くがーー。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。
レビュー(287件)
芥川賞受賞作の表題作と、「十二月の窓辺」の短編2作。後者の作品が表題作に繋がるようだ。その順番が良いか悪いかは好みが分かれそう。上司のパワハラで退職し、転職の末に作家デビューした著者の私小説という感じ。現代の働き辛さを遺憾なく描写しているが、パワハラを経験した読者にとっては、嫌な思い出を再現されるようで、何とも居心地悪いのでは? 爽快感は得られない結末。パワハラをする側もされる側も病んでいる現実を思い知らされた作品だった。
まだ読んでいませんが、とても楽しみです。まだ読んだことのない作家さんですが、期待しています。
私は、たまにふと、お金を使うときに「ああ、これが私の昨日の1日の仕事と同じ価値なのか」とか考えてしまうときがあって。だからナガセの気持ちに、なんかわかるなあって思う部分が多かったです。ナガセの日常は平凡なのだけれど、津村さんらしくユーモラスで魅力的で、とてもよかったです。
新聞で著者のインタビューを読み、興味を持ってこの本を購入しました。働く30-40代の独身女性に興味を持ってもらえそうな内容だと思います。表題以外に収録されている「十二月の窓辺」も良かったです。薄給の派遣労働者、パワハラ、現代ならではのテーマです。
津村さん、気に入った
津村さん連投。気に入った作家さんは一気に読む。『ポトスライムの舟』と『十二月の窓辺』二作からなる作品。前者、主人公の年収と世界一周旅行の代金が一緒である。というところから物語は進んで行く。163万という絶妙な金額。手が届きそうで、でも薄給の主人公にはおいそれと貯められる額ではない。貯めたいと思いつつも巻き込まれ系の彼女、人助けのためにお金が出て行く。少しだけ「あっ」て思うその瞬間、分かる。でも人助けをする。とても好感がもてる。後者はパワハラ満載で辛すぎ。職場に恵まれている自分を振り返ることができた。感謝。