大好きな湯川教授のシリーズだった。 最後の最後までどんでん返し。しかも「容疑者Xの献身」を湯川教授が悔いているとは思わなかった。今回も、被害者が極悪人で、容疑者が善良な人々。地道に営むレストランの店主、その親友で工場経営者、歌姫を育てる夢をもつ音楽家、恋人を殺された青年、可愛がっていた妹の家庭をめちゃくちゃにされた工員、それぞれに殺したい理由がある。それに対して被害者は、殺人をして逃れているどころか、恨む人たちの心を踏みにじる行為もする。音楽家の妻が傷つけた理由が女の子の妊娠だったが、素晴らしい才能の持ち主がそんなことであきらめるかが疑問。
とっても大変な仕事だけれど、ほのぼのと取り組んでいていいです。新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、経験も腕も確かで研究熱心。一止も学ぶべき点の多い医師だ。しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、急患であっても診察しないのだった。医者としての役割を十二分に果たそうとするあまりのことだった。過去の経験からの覚悟を知った一止は、自分の医師としてのスキルに疑問を持ち始め、大学病院へ行くことにする。誤診という大きなテーマも扱っていて、そんなにうまくいくわけはないだろうなという結末なのだが、医者も人間なのだから都合のいいときだけこき使う今の私たちの安易さは改めるべきだと反省した。患者もセカンドオピニオンなどの努力をして、誤診を防ぐ必要があると感じた。それは、医療を信じるが故の行動だと思う。妻のハルはできすぎていると思う。看護師さんなどこんなに頼れる良い人ばかりに囲まれることは珍しいだろう。
仮想の世界のお話なのに、現実味もあり、不思議な感じでした。不思議な設定だった。場所も不思議だったが、登場人物も個性豊かな者ばかりだった。現実の世界の超まがましい城山がいちばん邪悪だった。島の住民達は、犯罪も犯すが、それなりの秩序を保って暮らしていた。「桜」や「ウサギさん」の存在が、おもしろかった。未来が見えるカカシが悲しいと思った。100年前の志ある人の思いを今に伝えるが、みんなに頼りにされ過ぎるし不幸なことも防げないし恨まれるので疲れてしまったのかな?
加賀恭一郎の最初の事件で、まだ刑事になる前のお話です。加賀刑事が、警察官になる前の大学卒業時の物語。今まで聞いたことがないような、加賀と女性との恋愛話もあって、加賀の人間性の原点を見たような気がした。初期の作品なので、「新参者」ほど深い味わいはあまり感じられなかった。人間関係の描き方やトリックが少しこじつけのような気もした。剣道の試合の様子や、お茶会の作法などはよく取材しているなあと感心させられた。お茶もきちんとやれば奥深い作法や礼儀があるものだ。
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沈黙のパレード
大好きな湯川教授のシリーズだった。 最後の最後までどんでん返し。しかも「容疑者Xの献身」を湯川教授が悔いているとは思わなかった。今回も、被害者が極悪人で、容疑者が善良な人々。地道に営むレストランの店主、その親友で工場経営者、歌姫を育てる夢をもつ音楽家、恋人を殺された青年、可愛がっていた妹の家庭をめちゃくちゃにされた工員、それぞれに殺したい理由がある。それに対して被害者は、殺人をして逃れているどころか、恨む人たちの心を踏みにじる行為もする。音楽家の妻が傷つけた理由が女の子の妊娠だったが、素晴らしい才能の持ち主がそんなことであきらめるかが疑問。
神様のカルテ(3)
とっても大変な仕事だけれど、ほのぼのと取り組んでいていいです。新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、経験も腕も確かで研究熱心。一止も学ぶべき点の多い医師だ。しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、急患であっても診察しないのだった。医者としての役割を十二分に果たそうとするあまりのことだった。過去の経験からの覚悟を知った一止は、自分の医師としてのスキルに疑問を持ち始め、大学病院へ行くことにする。誤診という大きなテーマも扱っていて、そんなにうまくいくわけはないだろうなという結末なのだが、医者も人間なのだから都合のいいときだけこき使う今の私たちの安易さは改めるべきだと反省した。患者もセカンドオピニオンなどの努力をして、誤診を防ぐ必要があると感じた。それは、医療を信じるが故の行動だと思う。妻のハルはできすぎていると思う。看護師さんなどこんなに頼れる良い人ばかりに囲まれることは珍しいだろう。
オーデュボンの祈り
仮想の世界のお話なのに、現実味もあり、不思議な感じでした。不思議な設定だった。場所も不思議だったが、登場人物も個性豊かな者ばかりだった。現実の世界の超まがましい城山がいちばん邪悪だった。島の住民達は、犯罪も犯すが、それなりの秩序を保って暮らしていた。「桜」や「ウサギさん」の存在が、おもしろかった。未来が見えるカカシが悲しいと思った。100年前の志ある人の思いを今に伝えるが、みんなに頼りにされ過ぎるし不幸なことも防げないし恨まれるので疲れてしまったのかな?
卒業
加賀恭一郎の最初の事件で、まだ刑事になる前のお話です。加賀刑事が、警察官になる前の大学卒業時の物語。今まで聞いたことがないような、加賀と女性との恋愛話もあって、加賀の人間性の原点を見たような気がした。初期の作品なので、「新参者」ほど深い味わいはあまり感じられなかった。人間関係の描き方やトリックが少しこじつけのような気もした。剣道の試合の様子や、お茶会の作法などはよく取材しているなあと感心させられた。お茶もきちんとやれば奥深い作法や礼儀があるものだ。