一読して、中世史家・網野善彦氏と共通するものを強く感じた。 この本の2年ほど前に出版された、白水智著「知られざる日本 山村の語る歴史世界」も同じ「山村社会」を取り上げたものだが、「文献史学者」と「哲学者」の「共通性」「違い」が非常に興味深かった。 ただ、「修験道の信仰の核心は、教義ではなく修行にある。自然の中での修業がこの信仰のすべて」(修験道の「自然観」「人間観」等は「教義」以外の何ものでもなく、その「教義」があって初めて修行、宗教的行為たり得るのでは?)とか、「村の自然」絶対主義、原理主義的論旨は、「直観」的に腑に落ちなかったw 村の自然=里山は、「人間によってバランスの保たれた『人間にとって都合のいい自然』『循環する半農場』」だと思うしw、「農業」自体「自然」破壊だろうw 野菜の新芽の「間引き」作業に罪悪感を感じつつも、山を見ながら「あのあたりは、もう少し木を切った方がいいと思う場所もある」と書いたりw、「現在の問題意識に縛られた知性」に頼らない「直観」による執筆、なのかな~?とも感じたw
新書で一番売れてる「京都暴露本」ということで、同じ京都出身の宮崎学氏とは違った角度から「神社仏閣と共に焼け残った根深い京都の差別構造!」をえぐり出す本かと期待して読んだがw、たしかに作者個人の体験を基にした「差別構造」暴露本ではあるけれどw、他の「地方」にもあるような話で・・・・w
定着性の高い平地の稲作農耕民とは違う、狩猟や焼畑、杣、大工、木工、たたら、炭焼き、宗教などを生業とした「山の民の世界」の広がりや豊かさを、膨大なフィールドワークで得た情報や地勢的な位置関係、道の繋がりをもとに解き明かしている。
「噂の真相」の副編集長時代、皇室関係の記事の「誤植」で右翼に襲撃された経験を持つ著者が、現在マスコミでタブーが増殖し、根拠が曖昧なままタブー視されている事もあると指摘し、「何故それはタブーになったのか」その根源を探り、対策も書いている。 大手マスコミの自主規制の実態(大手芸能プロや大広告主をはじめ、捜査権や逮捕権、公訴権、税務調査の権限を持ち、情報ソースでもある諸官庁にはとことん弱い)が明らかにされ、何を報道して何を報道しないか、その構図がよく解る。
戦前の挙国一致体制下でも電力の「民営化」を維持しようとした「電力の鬼」松永安左エ門と、戦後の原子力発電の事実上の「国営化」をもたらした(国家・役人との緊張関係を無くした)平岩外四元東電社長を対比させ、その差を今回のフクシマ原発事故の原因の深層にあるものと見る著者の視点には、強い説得力を感じる。
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日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
一読して、中世史家・網野善彦氏と共通するものを強く感じた。 この本の2年ほど前に出版された、白水智著「知られざる日本 山村の語る歴史世界」も同じ「山村社会」を取り上げたものだが、「文献史学者」と「哲学者」の「共通性」「違い」が非常に興味深かった。 ただ、「修験道の信仰の核心は、教義ではなく修行にある。自然の中での修業がこの信仰のすべて」(修験道の「自然観」「人間観」等は「教義」以外の何ものでもなく、その「教義」があって初めて修行、宗教的行為たり得るのでは?)とか、「村の自然」絶対主義、原理主義的論旨は、「直観」的に腑に落ちなかったw 村の自然=里山は、「人間によってバランスの保たれた『人間にとって都合のいい自然』『循環する半農場』」だと思うしw、「農業」自体「自然」破壊だろうw 野菜の新芽の「間引き」作業に罪悪感を感じつつも、山を見ながら「あのあたりは、もう少し木を切った方がいいと思う場所もある」と書いたりw、「現在の問題意識に縛られた知性」に頼らない「直観」による執筆、なのかな~?とも感じたw
京都ぎらい
新書で一番売れてる「京都暴露本」ということで、同じ京都出身の宮崎学氏とは違った角度から「神社仏閣と共に焼け残った根深い京都の差別構造!」をえぐり出す本かと期待して読んだがw、たしかに作者個人の体験を基にした「差別構造」暴露本ではあるけれどw、他の「地方」にもあるような話で・・・・w
山に生きる人びと
定着性の高い平地の稲作農耕民とは違う、狩猟や焼畑、杣、大工、木工、たたら、炭焼き、宗教などを生業とした「山の民の世界」の広がりや豊かさを、膨大なフィールドワークで得た情報や地勢的な位置関係、道の繋がりをもとに解き明かしている。
タブーの正体!
「噂の真相」の副編集長時代、皇室関係の記事の「誤植」で右翼に襲撃された経験を持つ著者が、現在マスコミでタブーが増殖し、根拠が曖昧なままタブー視されている事もあると指摘し、「何故それはタブーになったのか」その根源を探り、対策も書いている。 大手マスコミの自主規制の実態(大手芸能プロや大広告主をはじめ、捜査権や逮捕権、公訴権、税務調査の権限を持ち、情報ソースでもある諸官庁にはとことん弱い)が明らかにされ、何を報道して何を報道しないか、その構図がよく解る。
電力と国家
戦前の挙国一致体制下でも電力の「民営化」を維持しようとした「電力の鬼」松永安左エ門と、戦後の原子力発電の事実上の「国営化」をもたらした(国家・役人との緊張関係を無くした)平岩外四元東電社長を対比させ、その差を今回のフクシマ原発事故の原因の深層にあるものと見る著者の視点には、強い説得力を感じる。