政治家田中角栄を作家で政治家の石原慎太郎が描いた本とはどんなものかと読んでみた。 昭和の時代には、今の3世、4世の政治屋にはない情念というか、ある種の愛国心を持った政治家がいたのだと感じさせてくれた。田中と石原、まったく違うタイプの政治家だが、日本という国を思う気持ちは共通していたようだ。 石原慎太郎の文章はちょっと読みにくいが、活字が大きく、余白もたっぷりあったので老視にはやさしく、さくさく読めた。
東京都知事時代の著者の実行力に感心していたので、その人の生涯を知りくて買った。作家から政治家になったときにはどうして?と思ったが、日本をよくしたいと考えて政治の世界に入ったと知り、現在の世襲制の政治屋とは違うわけがわかった気がした。自分で書いているので自画自賛の部分も多いのだろうが、少なくとも高所大所から日本を憂えていたのは確かなようだ。石原都政後のふがいない知事たちを見ていて、今こそ彼が必要なのにと感じた。
宮部作品はいつも安定しておもしろいが、今作から聞き手がおちかさんから富次郎に代わったので、最初は少し違和感を感じた。最初の2話は短いこともあって、おちかさんでないとやっぱり調子が出ないのかなと思いながら読んだが、表題作は力作でおもしろく読めた。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、戦争と平和について考えることが増えた。そんなときこの本を知り、前世紀の偉大な頭脳がどう考えたかを知りたくて買ったが、考えてみればアインシュタインの理論が元になった原爆が第二次世界大戦で使われたわけだし、百年近く経っても人間は賢くなっていないのだと感じた。文化がどれほど豊かになっても、国家が存在し、人間に欲がある限り、戦争はなくならないのかもしれない。
楽しみにしていた宮部さんの新作、期待にたがわず楽しめた。若い二人の主人公がこれからどんな風に成長していくのか、次作が待ち遠しい。作者が長く書き継いでいきたいとおっしゃっているので、楽しみ。宮部さんの小説は文章がきちんとしていて読みやすいので、余計なストレスを感じずに読めるのがなによりいい。
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天才
政治家田中角栄を作家で政治家の石原慎太郎が描いた本とはどんなものかと読んでみた。 昭和の時代には、今の3世、4世の政治屋にはない情念というか、ある種の愛国心を持った政治家がいたのだと感じさせてくれた。田中と石原、まったく違うタイプの政治家だが、日本という国を思う気持ちは共通していたようだ。 石原慎太郎の文章はちょっと読みにくいが、活字が大きく、余白もたっぷりあったので老視にはやさしく、さくさく読めた。
「私」という男の生涯
東京都知事時代の著者の実行力に感心していたので、その人の生涯を知りくて買った。作家から政治家になったときにはどうして?と思ったが、日本をよくしたいと考えて政治の世界に入ったと知り、現在の世襲制の政治屋とは違うわけがわかった気がした。自分で書いているので自画自賛の部分も多いのだろうが、少なくとも高所大所から日本を憂えていたのは確かなようだ。石原都政後のふがいない知事たちを見ていて、今こそ彼が必要なのにと感じた。
黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続
宮部作品はいつも安定しておもしろいが、今作から聞き手がおちかさんから富次郎に代わったので、最初は少し違和感を感じた。最初の2話は短いこともあって、おちかさんでないとやっぱり調子が出ないのかなと思いながら読んだが、表題作は力作でおもしろく読めた。
ひとはなぜ戦争をするのか
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、戦争と平和について考えることが増えた。そんなときこの本を知り、前世紀の偉大な頭脳がどう考えたかを知りたくて買ったが、考えてみればアインシュタインの理論が元になった原爆が第二次世界大戦で使われたわけだし、百年近く経っても人間は賢くなっていないのだと感じた。文化がどれほど豊かになっても、国家が存在し、人間に欲がある限り、戦争はなくならないのかもしれない。
きたきた捕物帖
楽しみにしていた宮部さんの新作、期待にたがわず楽しめた。若い二人の主人公がこれからどんな風に成長していくのか、次作が待ち遠しい。作者が長く書き継いでいきたいとおっしゃっているので、楽しみ。宮部さんの小説は文章がきちんとしていて読みやすいので、余計なストレスを感じずに読めるのがなによりいい。